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lounge-style’s blog

オススメ情報やつぶやき。

東芝の原子力事業にみる、大企業の誤算と泥沼とは

オススメ情報だよ。

今回は、つい先日(2.14) 報道された東芝の7125億円の損失記者会見。

その巨大損失を生んだ原発事業の現状についてすこしばかり紹介したいと思います。

  • 原子力事業のリスク
  • 損失となった背景
  • 今後の展望とは

についてふれたいと思います。

 

 原子力発電所

東芝にみる原子力事業の現状

東芝のみならず、いま全世界において原発ビジネスそのものがリスクに直面しています。

 例えば

  • ドイツ   シーメンス原発事業から撤退。
  • アメリカ  ゼネラルエレクトリックが原発事業への投資を懸念。
  • フランス  フランス政府自体が、経営悪化のアレバへの救済。

そもそもそこには原発事業が儲かる、多大な利益性の出る中心事業になるという一種の幻想が根底にあったことがうかがえます。

 

 ですが、地球上最も繊細な商品である核燃料を扱う原発ビジネスは、最初から諸刃の剣のようなリスクがあったのです。

 

2011年3月に起きた、みなさんも記憶に新しい東日本大震災

 東京電力福島第一原子力発電所で起きたメルトダウン事故により、アメリカでの原発安定基準が厳しくなる→その基準を満たすための設備、資材のコストの増加。それが建設工期の遅れを生む→延長した分、人件費も膨らむ。

 

 原子力発電所の労働者

 

 などといった連鎖的反応で、コストが当初の計画よりもはるかに膨らんでしまったのであります。

 

 また、福島原発事故により、日本国内の原子力事業は縮小を迫られ、東芝のみならず日本の原子力企業はさらに悪化したのです。

   安全規制の強化による建設コストの拡大は二次的、三次的にと費用コストを生んでいったのです。

 

誤算ともいえる損失となった背景

発端は、東芝の海外原子力事業である子会社、ウェスチングハウスが買収したCB&Iストーン・アンド・ウェブスターに起因します。

 

 CB&Iストーン・アンド・ウェブスター

 

東芝は当時アメリカにおいてライバルであったウェスティングハウス社(WH)を買収することで、世界最大の原子力発電所建設企業を目標にしました。その世界最大の原発ビジネスモデルに数千億円の巨額な投資を行い続けてきたのです。

 

 しかし、そのウエスチングハウス(WH)がおこなった企業買収が失敗するのです。その失敗が7000億円規模の損失へと招くのです。

 

 その買収の失敗とは?

 

ウェスチングハウスと対立関係にあったCB&Iストーン・アンド・ウェブスターを買収したことといわれています。

 

ウェスチングハウス(WH)は、

アメリカにおいて、ジョージア州で2基、サウスカロライナ州で2基の原子力発電所の建設を2008年に受注しました。これを共同で受注していたのがCB&Iストーン・アンド・ウェブスターでした。しかし、増えていく一方の建設コスト。これをどっちがどれくらい負担するのだと対立を深めていくのです。

 

 しかし、この対立は連鎖的に、工期の遅れを生み、その工期の遅れが人件費や資材搬入のさらなるコストを生む。それに懸念を抱いたウェスチングハウス(WH)がCB&Iストーン・アンド・ウェブスターの買収へと踏み切るのです。

 

 当時すでに債務超過であったCB&Iストーン・アンド・ウェブスターを、ウェスチングハウスは、「0ドル」で買収しました。

 しかし、

  • 建設コスト自体の値段が下がる訳ではない。むしろ上がる一方。
  • アメリカの電力会社(建設の発注元)との間で結んでいた契約。

この要因が、買収によって改善をめざした東芝にかえってさらなる負債を発生させることになったのです。

 

アメリカ電力会社との契約内容は、 

4基のうち少なくともサウスカロライナ州の2基は、当初決めた建設の費用を超えた場合、ウェスチングハウスとCB&Iストーン・アンド・ウェブスターがその分を負担する。

 

 これにより東芝は、建設コスト自体が膨らめば膨らむほど採算が悪化し、その結果、数千億円規模の損失につながったのです。いわば当初ライバルであった相手の分も負担するというかたちになってしまったハイリスクハイリターンのギャンブルに負けたような状態になってしまったのです。

 

 東芝投資データー

東芝への追い打ち

 多大な損失を背負うことになった東芝にさらなる追い打ちが、、。

 

それは、来年7月に期限が迫った日米原子力協定。

核燃料の濃縮や使用済み核燃料の再処理施設を規制しているこの協定の更新如何によって、原子力事業が左右されるのです。

 

商業利用のみにおいて許されている現状ですが、この協定の更新状況に命運が握られているのです。

 

そして泥沼

多大な負債を生んだウェスチングハウス(WH)。

そのウェスチングハウス(WH)を手放せない状況があります。

 

 ウェスチングハウス(WH)はもういらないと言えない理由

 

国と国の外交面への影響も巻き込む懸念が生まれるのが、大企業のジレンマです。

多国籍企業の宿命ともいる泥沼です。

 

今後の展望は。

今回の会見で、原子力事業を社長直属の組織にすることを明らかにし、抜本的改革の着手を表明した東芝

そして、収益の柱である半導体事業を分社化し、国内、海外の企業や投資ファンドに出資を呼びかける、いわば切り売りに踏み切ることで財務の立て直しを図ることを表明した東芝ですが、それが一時的な痛み止めによる応急処置にならないようにと今後見守りたいと思います。

 手放せない原子力事業とどう向き合うか?

原子力事業がきってもきれないガン細胞となるか、それとも世界の東芝たる看板になるか。

 

 復活イメージ